宮城県PTA会員の皆様へ

 「きずこう!温かな心で笑顔の城~笑顔をつなぐ温かい絆のたすき~」を掲げ,蔵王山麓が織りなす自然美しい城下町白石の地において,節目ともなる第70回宮城県PTA研究大会白石大会が開催される運びとなりました。

 新型コロナウイルス感染症感染の不安があるなか,ご後援をいただいた白石市,七ヶ宿町を始め関係団体の皆様のご協力に御礼を申し上げるとともに,県内各地域より多くの会員の皆様に参加頂きましたこと,心より感謝を申し上げます。

 私たちは,これまで新型コロナウイルスの影響により,多くの活動が制限されました。市内の小中学校では,子どもたちを育む大切な学校行事の多くが中止となり,PTA活動の多くも開催中止や参加者を制限しての開催となりました。人とひとを結ぶ対面での多くの機会が失われたことで,子どもたちの成長に大きく影響を与えるのではないかと心配でなりませんでした。文部科学省が発表した統計によると,宮城県は小・中学校の不登校発生率が年々増加し,4年連続で全国1位となり,いじめや児童虐待も増加しております。

 本年は,東日本大震災より10年を迎えました。あの震災で県内の多くの地域が甚大な被害を受けました。私たち大人は,家屋や仕事を失い,毎日が生活の再建に追われていました。子どもとのふれあいも薄れていたのかもしれません。この10年間で,新たに住宅や道路などの社会基盤は整備されて新しい街並みも建設されました。震災前に比べて目に見えて,生活環境は大きく改善されましたが,時間が経過しても,私たちの心に負った悲しみは消えてはおりません。昨年から,長引くコロナウイルス感染症拡大という不安と活動制限の影響で再び,心とこころを繋ぐ機会を奪われてしまいました。“こころの復興”は,人とひとをつなぐ励ましの声を伝えることから生まれてきます。

 「冬は必ず春となる」寒さの厳しい冬も,そのあとには必ず暖かい春が訪れます。同じように,どんな苦難があっても必ず晴れやかな春を迎えることができると,夫を亡くし,自らも体が弱くても子どもを抱きかかえながら,懸命に働くお母さんを励ました言葉です。

 私たち一人ひとりが,身近な方にこうした励ましの声をかけていくことが必要なのだと思います。

 震災から10年。そして今まで経験したことがないコロナ禍のなか,さまざまな困難や課題を乗り越えて,将来を担う子どもたちに心とこころをつなぐ温かな励ましの声掛けで,たくさんの笑顔あふれる城(未来)を築いていけるような大会としてまいります。

 今大会開催のためにご尽力いただきました実行委員の皆様,そして大会関係者の皆様に感謝を申し上げますとともに,未来を担う子どもたちの活躍に万感の期待を寄せて,実行委員長の挨拶といたします。

白石大会実行委員長 滝深 光昭